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2010年11月

2010年11月22日 (月)

お伽話第5話

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その後、常陸の国に梅の木が有名な庭園が造られたという噂が、風に乗って丸子の宿に流れてきました。

丁度、丸子の宿の名物「とろろ汁」を、丁字屋で食べていた松尾芭蕉がこの話を聞き、

ここで一句詠んで立ち去りました。

「梅若菜 丸子の宿の とろろ汁」

(おわり)

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2010年11月21日 (日)

お伽話第4話

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御姫様も助けだし、逆造も縄でぐるぐる巻きにして梅太郎は家に帰ってきました。

家に着いたとき、奉行所から役人が出張ってきていたので逆造を引き渡しました。

若菜姫も役人と一緒に梅太郎の家に集まっていた家来と会うことができ、喜びあいまし

た。

若菜姫は、梅太郎の勇気と行動力、正義の心に深く打たれました。

是非家来の一人に加えたい、常陸の国までの道中も守って欲しいと願いました。

家来たちもお願いしました。

母親も一緒に行くことになり、梅太郎は、快く承諾しました。若菜姫もたいそううれしく思いました。(続く)

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2010年11月20日 (土)

お伽話第三話

家に入ると母親に、逆造から御姫様を助けに行くことを話しました。

母親は、梅太郎の大好物の梅干しの入ったにぎりめしを三つ作って渡し、見送りました。

半刻ほどで逆造のねぐらに到着した梅太郎は、大きな声で逆造を呼びました。逆造がその声にこたえて出てきました。

「日頃の旅人の難儀、今日の悪行に対し、いざこらしめん。」

梅太郎は父親譲りの槍をしごき、逆造は太刀を構えました。Photo

満観峰は横殴りの雨がさらに強く二人を打ち付けました。

二人はその中で、槍は大円を描いて回転し、太刀は切りつけ、突き込んで激しく戦い、坂下の御地蔵さまあたりまで降りてきました。

逆造の剣術は巧みで、梅太郎は大分不利になってきました。

ついに、梅太郎の足場がぐらついた刹那、逆造の太刀が梅太郎の槍を両断しました。

「あっ」思わず梅太郎は声を上げると同時に全身に冷や汗をかきました。

「負ける」と思った時でした、「オンカカカビサンマエイソワカ」の真言が聞こえました。

母親の声に似ていました。「そうだ、御地蔵様だ」ぱっと後ろに飛び跳ねると、御地蔵様の錫杖をつかんで構えていました。

御地蔵様の錫杖で勇気百倍、ついに逆造の太刀を払い落し、背中を打ちすえて逆造を捕まえることができました。(続く)

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2010年11月17日 (水)

お伽話第二話

御姫様一行は、都を出て十日ほどで岡部宿に入り、宇津ノ谷峠に差し掛かりました。

雲行きが怪しくなり、雨が降ってきたので峠近くの地蔵堂に身を寄せていましたが、一向   に雨足は小さくならずにいました。

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そこに通りがかったのが逆造でした。華やかな御姫様の一行を遠くから窺がっていまた。

そして、御姫様の美しさに魅了されて気に入り、欲しくなっていしまいました。

そこで地蔵堂に近づき、裏手から縁の下をくぐり中に入って御姫様に悟られずにさるぐつ

わをして、まんまとさらって満観峰のねぐらに帰って行きました。

地蔵堂に人の気配がしないのをいぶかって、家来が覗いてみると御姫様がいませんでした。

床が破られている。柱をみると「逆造参上、姫様頂く」と、大きな張り紙がありました。

さあ大変だ、家来たちがハ方散って御姫様を探しました。「姫様がいなくなった。」「御姫様がかどわかされた。」

家来の一人が御姫様を探して赤梅ヶ谷の里まで降りてきました。

そこに丁度、梅太郎が雨の中にも関わらず、畑仕事に精出していました。

「なに、若菜姫が逆造にさらわれた。」このことを聞いて梅太郎は、一大決心、地元の俺が姫様を助けようと心に誓いました。

「逆造は、満観峰がねぐらだ。ようし、いざ満観峰へ」

家来の一人には府中の奉行所に知らせるように言うと、家の中に梅太郎は、入って行きました。

家来は一目散に府中の町へ。(つづく)

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2010年11月 1日 (月)

お伽話 丸子の里の梅太郎 第一話

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昔昔、徳川様が日本の国を治めていた頃、東海道丸子の宿のはずれに紅梅の美しく咲く里がありました。
赤梅が谷と呼ばれていました。その里には母親と孝行息子の梅太郎が住んでいました。
槍一筋に忠義で生きた、亡き父親の心を受け継いで毎日野良仕事の合間に武術の鍛錬も欠かさず励んでいました。

天子様がお住まいになられている京の都の公家の家に若菜という美しいお姫様がいらっしゃいました。
たいそう美しい方というので縁談のお話が沢山ありまして、東の常陸の国のお殿様に嫁ぐことになりました。
東国はよく知らない土地なのでお姫様は不安に思いながら京の都を後にしました。

丸子の宿と岡部の宿のちょうど真ん中あたりに、難所で有名な宇津ノ谷峠がありました。
そこには、逆造という山賊が住んで、ここを通る旅人を困らせていました。
なんでも豊臣のお殿様の家来だったとか、甲斐武田の残党とか言われていました。
世の中を逆さに生きてやるとの思いで逆造と名乗り、酒好きで強く、酒造とも取れる名を気に入っていました。
そこで地元の初亀やら磯自慢など、ちょくちょく盗んでおりました。[続く]

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